参考・関連文献


『「偽典・女神転生」秘密の書』を書くにあたって参考にした文献や、ストーリーの内容に関連した、興味深い文献を以下に挙げておきます。それぞれにコメントを付してあるほか、おすすめのものは★マークが3つになっています。本選びの一助となれば幸いです。


参考文献

真・女神転生RPG基本システム

著者 鈴木一也と遊企画
出版社 アスキー出版局
発行年・ISBN 1993, ISBN4-7561-0847-4
評価 ★★★

「偽典・女神転生」のベースとなった一冊。世界観、神族、覚醒段階、魔法体系など、偽典の多くの要素がこのシステムに依拠しており、これなくして偽典は語れない。偽典のプロデューサー・鈴木一也氏が手がけただけあって、相当濃い仕上がりになっている。また、本書のイラストを担当した相崎直美氏は、偽典のイラストも手がけている。だが、'93年に出版されたものなので、もう絶版になっている可能性が高い。なお、続編やサプリメントは未見なのでコメントは控えたい。


新世黙示録 - Sin Apocalypse -

著者 鈴木一也/デジタル・デヴィル
出版社 エンターブレイン
発行年・ISBN 2002, ISBN 4-7577-0825-4
評価 ★★★

『真・女神転生TRPG』の続編にして、鈴木一也氏渾身の大作である。前作の世界観・設定やシステムを洗練させ、リアリティと遊びやすさの両立を目指した。その代わり、前作や、従来の『真・女神転生』シリーズとは一線を画す内容となっており、連続性は大きく損なわれている。たとえば、世界観でいえばY.H.V.H.を「統一神」と呼び、創造主たりうる可能性は完全に排除された。また、設定面でも魔界魔法や抗体ポイントを放棄。システムとしてもTRPGに特化しているので、この世界観をコンピュータゲームに活かすには、かなりの修正が必要となろう。なお、悪魔合体についての記述もないが、これはサプリメントで追加されるのかもしれない。


真・女神転生II 悪魔大事典

著者 アトラス/遊企画・監修,成沢大輔・編
出版社 宝島社
発行年・ISBN 1994, ISBN4-7966-0841-9
評価 ★★★

金子一馬氏のイラストとともに、鈴木一也氏の詳細な悪魔解説が掲載されている。鈴木氏の知識と想像力が遺憾なく発揮された逸品。ちなみに、イシュタルの項目の解説がとくに詳しいが、これは偽典制作のため氏が相当調べたためだろう。また、アトラスの開発スタッフと成沢大輔氏との対談『創造主たちかく語りき』も併録。こちらも、イベントの裏に隠されたテーマを明かしてくれており、貴重だ。余談だが、この悪魔大事典シリーズはファミコン版のIIからあるようである。


CLUB邪教の館

著者 HIPPON SUPER!編集部・編
出版社 宝島社
発行年・ISBN 1993, ISBN4-7966-0683-1
評価 ★★★

「真・女神転生ファンブック」と銘打たれた本書は、『HIPPON SUPER!』誌(かつては『ファミコン必勝本』という名で、宝島社の前身JICC出版局が出していた)に寄せられた投稿をまとめたものである。それに加えて、バーテンダー役の成沢大輔氏が『真・女神転生I』の謎について語ったり、鈴木一也氏がガイア教「司教」デミアン鈴木を名乗ってお勧め書籍・ビデオを紹介したりと、面白い企画がけっこうある。なかでも「武器大展覧会」のコーナーでは、『真・女神転生I』に登場する武器や防具を金子一馬氏と高橋政輝氏(『ウィザードリィのすべて』のイラストも担当)が視覚化しており、見ているだけでも楽しい。もちろん、それぞれに解説も付されている。


幻想世界の住人たちII

著者 健部伸明と怪兵隊
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1989, ISBN4-915146-09-X
評価 ★★★

良作が多いTruth In Fantasyシリーズの中でも、もっとも優れた作品の一つ。ヨーロッパ・中近東・アジア・新世界に棲息する「幻想世界の住人たち」について幅広く解説。だが、この本の真骨頂は巻末の『魔界紳士録』である。健部伸明氏の手になる解説は著名な悪魔のほとんどを網羅し、オリジナルの挿し絵入り。偽典に登場するボス悪魔のほとんどは、これが元ネタになっているのだ。ちなみに、資料・情報提供のクレジットには竹内誠氏(Wizardry界では賢者ウラサムの名で知られる)や成沢大輔氏の名も見える。


オリエント神話

著者 ジョン・グレイ(森雅子訳)
出版社 青土社
発行年・ISBN 1993, ISBN4-7917-5259-7
評価 ★★★

古代メソポタミアからカナアン、イスラエルに至るオリエント神話の研究書。だが、訳者あとがきにもあるように「本書は一般の読者のために近東の神話や宗教を包括的に、概説的に取り扱っているものではない」。あくまで文化人類学の立場から神話を分析しようというものだ。とはいえ、イシュタル、バアル、マルドゥーク、ギルガメシュなど、偽典にもその名が見えるさまざまな神や英雄が登場し、比較神話的な位置づけが語られる。そして、カナアンの神話がユダヤ/キリスト教に与えた影響についても触れられており、偽典のストーリーを読み解くならば、こういった知識は必須のものといえよう。なお、ルシファーの原型がカナアンのアッタル神であることも明かされる。


魔法事典

著者 山北篤・監修
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1998, ISBN4-88317-304-6
評価 ★★★

古今東西の「魔法」あるいはそれにまつわる出来事・人物などを収録した事典。大小合わせて600項目にも及ぶ。クトゥルフや『魔法の国ザンス』まで含まれているのには異論のある向きもあろうが、細大漏らさず網羅したものと考えれば納得がいく。「ティアナのアポロニウス」や「シモン・マグス」について、ページをパラパラとめくるだけで調べることができるというのは、ちょっとほかでは味わえない経験ではないだろうか。


ギルガメシュ叙事詩

著者 矢島文夫・訳
出版社 筑摩書房(ちくま学芸文庫)
発行年・ISBN 1998, ISBN4-480-08409-6
評価 ★★★

時を遡ること、4,000年以上。『ギルガメシュ叙事詩』は、世界最古の叙事詩であるとともに古代オリエント最大の文学作品である。しかし、現代に伝わっているものは粘土板の断片でしかなく、推定によると11の書板に刻まれた物語の約半分が残るのみだという。しかも、それぞれの粘土板にはアッシリア語、バビロニア語、シュメール語などのバージョンがあり、それらをもとに一貫したストーリーを再構成するのは至難の業である。訳者の矢島文夫氏は古代オリエント研究の第一人者であり、叙事詩の日本語訳を初めて世に出したのもこの人。その第一人者が一般の読者向けに『ギルガメシュ』を再構成・翻訳し、解説を付したのが本書である。文庫化されるにあたって『イシュタルの冥界下り』も併録されており、メガテニストならばどちらも一度は目を通しておくべきだろう。


世紀末

著者 草野巧
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1997, ISBN4-88317-293-7
評価 ★★★

サブタイトルは「神々の終末文書」。Truth In Fantasyシリーズ中の一冊である。ユダヤ/キリスト教やイスラム教、グノーシス主義等の終末論を解説したもの。偽典と関係があるのは、死海文書が描く終末について。それによれば、光の軍勢と闇の軍勢が40年間戦争を繰り広げた後、ふたりのメシアが千年王国を樹立するという。渋谷でガブリエルや調査官たちが語った内容は、これを踏まえていると思われる。


図説日本呪術全書

著者 豊島泰国
出版社 原書房
発行年・ISBN 1998, ISBN4-562-03114-X
評価 ★★★

密教、修験道、陰陽道、神道など、日本古来より伝わる各種の呪術・修法を、豊富な資料をもとに解説した画期的な書物。呪術の具体的な方法だけでなく、その歴史的背景にも詳しく触れており、資料的価値は非常に高いといえるだろう。それに、相当数の図・写真等が配置されており、見ていて飽きない点も素晴らしい。


八百万の神々

著者 戸部民夫
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1997, ISBN4-88317-299-6
評価 ★★★

主として記紀神話の神々について解説した、「日本の神霊たちのプロフィール」。やはりTruth In Fantasyシリーズ中の一冊。それぞれの神様の特徴がよくわかるよう、配慮された記述となっている。できる限り別称を載せてくれているのも親切だ。ただ、性格によって分類されているため、天津神・国津神の区別はあまり意識されていないようである。ちなみに、巻末にはささやかながら用語解説もある。


風水先生

著者 荒俣宏
出版社 集英社文庫
発行年・ISBN 1994, ISBN4-08-748159-X
評価 ★★★

「地相占術の驚異」と銘打たれた本書は、風水先生こと荒俣宏氏が風水に関する蘊蓄を傾けたものだ。第一部は荒俣氏が香港の風水師と出会い、「日本人で最初の風水師になりたい」と志すところから始まる。第二部の前半は風水の基礎知識を説く。第二部後半では、応用編として、日本の各地域を風水の観点から評価していく。とくに面白いのが東京編。江戸に張り巡らされた風水の仕掛けが解き明かされていく。おまけに、五色不動と天海僧正の関係も教えてくれるのだ。


地獄の辞典

著者 コラン・ド・プランシー
(床鍋剛彦訳、吉田八岑協力)
出版社 講談社
発行年・ISBN 1990, ISBN4-06-201297-9
評価 ★★★

19世紀の作家にして悪魔学者コラン・ド・プランシーの手になる、ありとあらゆる怪奇なものを集大成した辞典である。羽に交差した骨と頭蓋骨マークを刻んだ巨大な蠅の姿で描かれるベールゼバブや、寝室用の便器に座るベルフェゴールのイメージは、本書に由来する。中には、エウリノームのように自ら創作した魔神もある。ただ、ソロモン王の72柱の魔神については、『レメゲトンあるいはソロモンの小さき鍵』を底本にしているようである。なお、本書は抄訳であり、悪魔に関連する項目を主に扱っているが、十分であろう。


虚空の神々

著者 健部伸明と怪兵隊
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1990, ISBN4-915146-24-3
評価 ★★★

ケルトと北欧の神々について詳細な解説が載せられている。とくに、ケルト神話のストーリーの流れをわかりやすい形で再構成してくれているところが嬉しい。神々の父ダーザ(ダグザ)・モール、銀の腕のヌァザ、長き腕のルーといった神々が生き生きと描写されている。もちろん、北欧神話についても主なエピソードはほとんど網羅。おそらく、これほどよくまとまった本は他にないだろう。ただ、残念なことに、クー・フーリンやフィン・マックールの時代についてはほとんど語られていない。


幻想世界の住人たちIV〈日本編〉

著者 多田克己
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1990, ISBN4-915146-44-8
評価 ★★★

これもTruth In Fantasyシリーズ中の一冊。〈日本編〉とは要するに妖怪博物図鑑である。妖怪、というと水木しげる氏の名がすぐに頭に浮かぶが、本書は水木ワールドとはやや異なった雰囲気である。図鑑であることに徹している、というべきか。酒呑童子や土蜘蛛にはじまり、オサキ狐、天邪鬼、果ては毛羽毛現(ケウケゲン、希有希現とも)まで、御花屋敷の妖怪たちはこの本が元ネタである。怨霊の項には将門公のエピソードも。


逆説の日本史 1.古代黎明編

著者 井沢元彦
出版社 小学館(小学館文庫)
発行年・ISBN 1998, ISBN4-09-402001-2
評価 ★★

作家の井沢元彦氏が学会の通説に不満を覚え、独自の観点から日本史を洗い直すのが、「逆説の日本史」シリーズである。氏はその「観点」として、「和」や「ケガレ」の意識、それに怨霊信仰を挙げる。本書中の大国主命編では、神話は実話を反映しているとの前提のもとに、「オオクニヌシ(のもとになった人物)こそ、日本最初の怨霊である」と主張する。そして、出雲大社は大怨霊オオクニヌシを封じ込めた神殿だとする。天津神と国津神の抗争の一端が垣間見えるエピソードではないか。ちなみに、「とこしへに隠れ」た、つまり死んだオオクニヌシは、「幽事かくりごと」すなわち霊界の政治の神となった。偽典で黄泉に大国主がいるのはそのためである。


逆説の日本史 5.中世動乱編

著者 井沢元彦
出版社 小学館(小学館文庫)
発行年・ISBN 2000, ISBN4-09-402005-5
評価 ★★

上の本の続編である。鎌倉幕府の成立から、執権北条氏がその地位を確立するまでを描く。が、ここで重要なのは、壇ノ浦の戦いで神剣(草薙剣)が海中深く沈んでしまったという事実である。メガテン的視点から見れば、この際神剣は根の国=黄泉へ堕ちたと解釈することもできる。だから神器は黄泉の主である大国主のもとに長らくあったはずだが、ご存じのとおりオセに奪われてしまったのである。


堕天使

著者 真野隆也
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1995, ISBN4-88317-256-2
評価 ★★

Truth In Fantasyシリーズ中の一冊で、サブタイトルは「悪魔たちのプロフィール」。唯一神によって悪魔に堕とされた堕天使や古き神々について述べたもの。ルシファー、ベリアルといった超大物悪魔が項目の最初に挙げられているが、偽典と関係するのはダゴン、バール、イシュタルなどである。


聖剣伝説

著者 佐藤俊之とF.E.A.R.
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1997, ISBN4-88317-302-X
評価 ★★

世界中の神話や英雄伝説に登場する武器についてまとめたもの。Truth In Fantasyシリーズ中の一冊。エクスカリバーや妖刀村正のような定番はもちろん、ロンギヌスの槍や、さらには『指輪物語』でガンダルフが使用した剣、グラムドリングも登場。そのほか、偽典で目にするゲイボルグやダインスレイフなども詳しく解説されている。


古事記

著者 倉野憲司・校注
出版社 岩波書店(岩波文庫)
発行年・ISBN 1963, ISBN4-00-300011-0
評価 ★★

日本最古の歴史書・文学書。稗田阿礼が暗記した『帝紀』・『旧辞』等の内容を太安万侶が書き留め、まとめたものだという。天地開闢よりの神話が綴られているが、『日本書紀』よりも内容は古いらしい。より原型に近いためか、登場する神・英雄たちは、『日本書紀』に比べてはるかに人間くさく描かれている。


日本書紀(一)

著者 坂本太郎/家永三郎/井上光貞/大野晋・校注
出版社 岩波書店(岩波文庫)
発行年・ISBN 1994, ISBN4-00-300041-2
評価 ★★

古代の神話から、持統天皇の治世までを編年体で綴った「正史」である。本書は五分冊のうちの第一冊目で、神代から崇神天皇までを収録。偽典に関係するのは主に神代の項だが、読んでいて面白いのは本文よりもむしろ注のほうだ。各ページにびっしり注がつけられているのだが、それだけではとても収まりきらないため、巻末に長文の補注が加えられている。アマテラスとヒルコの関係について触れられているのも、補注においてである。校注者として名前が挙げられている4人は、いずれも高名な歴史学者や国語学者であるらしいので、たぶん内容は信頼できるはず。


関連文献

ヨハネの黙示録

著者 小河陽・訳
出版社 岩波書店
発行年・ISBN 1996, ISBN4-00-002387-X
評価 ★★★

新約聖書中の一編、『ヨハネの黙示録』の全訳である。口語訳で読みやすく、それでいて格調高さを失っていない。豊富な図版と注釈が入っており、巻末には用語解説まである。まさに至れり尽くせり。メガテニスト必読の書。偽典との関連はあまりないと思われていたが、じつはこっそりエンディングで引用されていたのだった。


新約聖書を知っていますか

著者 阿刀田高
出版社 新潮社(新潮文庫)
発行年・ISBN 1996, ISBN4-10-125521-0 C0116
評価 ★★★

ミステリーの名手と謳われる阿刀田氏が、欧米の文化に触れるときに欠かせない聖書の知識を広く一般の人に提供できないか、と考えて綴ったエッセイが本書である。聖書の入門編としてはうってつけだろう。読みやすいし、読者の興味を惹きつける語り口もみごとである。内容のほうも、『ヨハネの黙示録』も含めてポイントはひととおり網羅しているようだ。洗礼者ヨハネやサロメ、マグダラのマリアにもわりと記述を割いてあるので、読んでいると、ひょっとして偽典のシナリオライターもこれを読んだかも、と思えてくる。最初に刊行されたのは'93年だから、ありえない話ではないのだ。


小説「聖書」〈旧約篇〉

著者 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳)
出版社 徳間書店
発行年・ISBN 1998, ISBN4-19-860855-5
評価 ★★

聖書のストーリーを著者のウォルター・ワンゲリン氏が独自の視点・解釈から再構成したもの。ふつうメガテニストが知りたいのはストーリーだけだろうから、こういう本はありがたい。ただ、変則的な構成になっているので、知識のある人は逆にとまどうかもしれない。まずアブラム(アブラハム)の物語から始まるのだ。『創世記』の天地創造やノアの箱船のエピソードは後回しにされ、物語の最後のほうで、祭司エズラが会衆に語りかける形で目にすることになる。


小説「聖書」〈新約篇〉

著者 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳)
出版社 徳間書店
発行年・ISBN 1998, ISBN4-19-860869-5
評価 ★★

上の本の続編。いわばイエスの一代記である。ヘロデ、洗礼者ヨハネ、マグダラのマリアなど、偽典にもその名が出てきたキャラクターが登場。ここではヨハネはエッセネ派に属していたことになっており(あくまで著者ウォルター・ワンゲリン氏の見解によるもので、歴史的事実の真偽は不明)、偽典の設定に近い。


日本の神話伝説

著者 吉田敦彦、古川のり子
出版社 青土社
発行年・ISBN 1996, ISBN4-7917-5468-9
評価 ★★

学問的観点から解説を加えながら、記紀神話のあらましを述べる。文化人類学の影響が色濃く、比較神話的観点からオオクニヌシ(オオナムチ)とアドニスの類似が語られる。黄泉の支配者となったオオクニヌシは、若き日に死の淵から蘇ったことがあり、これは穀物神としてのアドニスのエピソードと共通するという。そういえばオオクニヌシは第一に農業神であった。


日本の神々

著者 松前健
出版社 中央公論新社(中公新書)
発行年・ISBN 1974, ISBN 4-12-100372-1
評価 ★★

日本神話の源流を探り、オホナムチ、イザナギ・イザナミ、アマテラス、それにスサノオといった神々が、どのように記紀神話に統合されていったのかを明らかにする。そのプロセスはスリリングだ。ただし、専門的すぎて退屈な記述があるのも事実。読み通すには多少の我慢が必要である。


魔術師の饗宴

著者 山本篤と怪兵隊
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1989, ISBN4-915146-06-5
評価 ★★

前述の『魔法事典』のベースになったのがこれだ。やはりTruth In Fantasyシリーズ中の一冊で、ルーン、カバラ、錬金術、ヴードゥー教などを扱っている。より深くメガテン的世界観を理解するうえで役に立つ本だといえよう。ちなみに、巻末には毒について少しだけ解説があり、たとえば「クラーレ」という毒は、アマゾン地方の原住民の矢毒に用いられていることなどがわかる。


インド曼陀羅大陸

著者 蔡丈夫
出版社 新紀元社
発行年・ISBN 1991, ISBN4-88317-208-2
評価 ★★

Truth In Fantasyシリーズ中の一冊で、サブタイトルは「神々/魔族/半神/精霊」。三大神(ヴィシュヌ・シヴァ・ブラフマー)をはじめとするディーヴァ神族、ヴリトラなどのアスラ神族、ラーヴァナを筆頭とするラークシャサ神族のほか、ハヌマーン、カーマ、キンナラなど、顔ぶれは多彩だ。偽典との関連はあまり深くないものの、知っていればより楽しめるだろう。それから、わずかではあるがシャクティズムについての記述がある。偽典においてバエルが、イシュタルからシャクティを引き出し、己のものにしようとしていたことが想起されよう。


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