○精霊 精霊系

サラマンダー
 錬金術師パラケルススによって定義された四大精霊の一角「火」の精霊。Salamanderは元々山椒魚を意味する名。別名をバルカン(Vulcan)という(ローマの火の神ヴォルカヌスに由来)。
 一般的には燃え盛る火を纏ったトカゲの姿で表されるが、人形(女性とも巨人とも)とされたり虫とされたりすることもある。火を食べてその皮を再生する(虫とされる時は繭を紡ぐ)と言われ、サラマンダーの皮とされるものが古代より出回っていた。これは中央アジア産の石綿ではないかとされている。
 名の原義が示すように、元々は山椒魚そのものが伝説化されたものと推察されている。古代ローマでは強力な強壮作用があるとされていた。後のサラマンダーの姿には炉の中に棲むされたキプロスの幻獣ピュラリスとの混同もあるらしい。後代には雌雄の別が無いと信じられたことから貞節のシンボルともされている。
 中国の幻獣火鼠(かそ)との関連も指摘されている。なお古代中国では山椒魚は人魚と呼ばれ、やはり滋養に富むとされていた。

参考:精霊 フレイムエレメント

ウンディーネ
 錬金術師パラケルススによって定義された四大精霊の一角「水」の精霊。Undineは「波の者」を意味するパラケルススによる造語らしい。別名はニンフ(Nymph)とされ、元々原形である同名のギリシャの妖精を意識したものであったらしいが、その後ウンディーネは一般的な水の妖精のことを指すようになった。
 多くの場合美しい乙女の姿をしているとされるが、時折いわゆる人魚の姿をしているともされる。水の妖精として一般化してからはよく異種婚姻譚に登場する存在となった。こうした伝説を背景にM・フーケーが傑作『ウンディーネ(水妖記)』を書いている。

参考:精霊 アクアエレメント

ノーム
 錬金術師パラケルススによって定義された四大精霊の一角「地」の精霊。その名Gnomesのはギリシャ語の「知識(gnosis)」に由来するとも「地に棲むもの(genomus)」に由来するともされる。
 その姿は髭を生やした小人で、無骨でグロテスクな風貌とされることが多い。他の地の妖精と同じく地中の宝のありかを知っている(あるいはそれを守っている)とされており、しばしばドワーフ等と混同される。
 後代には地霊としての一般化が進み、最近のいわゆるファンタジー世界ものでは精霊としてよりは一種族(地下世界に住む小人)として登場することが多い。

参考:精霊 テラエレメント

シルフ
 錬金術師パラケルススによって定義された四大精霊の一角「風」の精霊。Sylphの名ははラテン語の「森(sylva)」とニンフ(Nymph)を合成した造語であるらしい。別名はシルヴェストル(Sylvestre)、「森の者」の意である。女性形のシルフィード(Sylphid)の名で呼ばれることも多い。
 美しい乙女の姿をしているとされ、時折有翼であることもある。風の妖精として一般化してからはやはり異種婚姻譚に登場する存在となった。

参考:精霊 エアロエレメント

ホリーエレメント
 不詳。直訳するなら「聖なる精霊」。
 いわゆる第五元素(Qvinta Essentia)の元素霊か?第五元素の定義や名称は様々であるが一般的にはエーテル(Ether)あるいはアイテール(Ather)と呼ばれ、宇宙ないし天界を構成する元素であるとされる。

フレイムエレメント
 四大元素の一つ「火」の元素霊。
 哺乳類は火属性であるという。
 「火」は四大元素のうちでも至尊とされることが多いが、これは元々火そのものが神聖視されたことの名残であろう。またキリストがしばしば原始の太陽神崇拝と関連して火と結びつけられることも関係している。
 その後オカルト学が精霊界なるものを創出してからは精霊たちにもその長が設定された。火界王はパイモンとされるが彼はルシファーの反乱に与して堕天使となったとされる。その後の火界王は大天使ミカエルが兼任しているとか。

参考:精霊 サラマンダー

アクアエレメント
 四大元素の一つ「水」の元素霊。
 魚等の水棲生物が水属性とされる。
 オカルト学が定めるところの水界王はウンディーネの女王アリトンとされる。一説によるとアリトンはルシファーの反乱以前にリヴァイアサンと共に唯一神に反抗、しかし敗北して降伏したとされる。

参考:精霊 ウンディーネ

テラエレメント
 四大元素の一つ「地」の元素霊。
 爬虫類や昆虫は地属性に分類される。
 オカルト学では地界王はノームの王アマイモンとされる。

参考:精霊 ノーム

エアロエレメント
 四大元素の一つ「風」の元素霊。
 風属性には鳥やその他の飛行する生物が含まれるという。
 オカルト学の風界王はシルフの女王オリエンスとされる。

参考:精霊 シルフ