○天使 飛天系

ヴァーチュー
 偽ディオニュシオスによる天使の階級の中級第二位。力天使。Virtueは「神の美徳」の意。
 神の力を引き出し地上に奇跡を起こす他、苦難に向かう善人に勇気を与えるとされる。キリスト昇天に付き従った天使ともされている。力天使の長とされるのはミカエル、ガブリエル、ラファエルの他、バリエル、タルシシュ。

パワー
 偽ディオニュシオスによる天使の階級の中級第三位。能天使。Powerはそのまま「神の力」の意。
 天界を守り悪魔と闘う戦士階級であり、また対立するものを調和させる役割を担うとされる。能天使の長はラファエルもしくはカマエルであるとされる。

プリンシパリティ
 偽ディオニュシオスによる天使の階級の下級第一位。権天使。Principalityは「公国(神の国)」の意。
 国家や都市を守護する天使であり、同時に信仰の擁護者である。
権天使の長はアナエル、またはハミエル、ケルウィル、あるいはカマエルとされる。

アークエンジェル
 偽ディオニュシオスによる天使の階級の下級第ニ位。大天使。Archangelはそのまま「大天使」の意。
 神からの重要な啓示を人間に伝えることを任務としている他、天の軍勢を率いる指揮官の階級でもある。現在の主要な天使たちは全てこの階級の出身とされている。大天使たちの長は天使長ミカエルとされる。
 古くは名の通り神に近い偉大な天使たちのことであった。教義上での混乱もあってその地位は説によってかなりの変動がある他、その解釈も一定しない。

ダニエル
 ヴィム・ヴェンダース監督の傑作映画『ベルリン・天使の詩(原題:Der Himmel ueber Berlin)』(1987年西ドイツ)の主人公の天使。ただし一般的にはダミエル(Damiel)と表記されている。
 なおダミエルの名は旧約聖書偽典エノク書に登場するグリゴリの天使たちの中に登場している他、一部の文献では第五天の天使の一員とされている。
 またダニエル(Danielは「神の裁き」の意)は旧約聖書『ダニエル書』に登場する預言者。バビロニア王ネブガドネザルの夢を解釈して長官に取り立てられる。その後様々な黙示的幻視を体験する。

参考:天使 カシエル 大天使 ラファエラ

カシエル
 ヴィム・ヴェンダース監督の傑作映画『ベルリン・天使の詩(原題:Der Himmel ueber Berlin)』(1987年西ドイツ)に登場する天使。続編の『時の翼にのって(原題:In weiter Ferne, so nah! / 米題:Faraway, So Close!)』(1993年ドイツ)では主役に昇格している。『ベルリン・天使の詩』のリメイク作品『シティ・オブ・エンジェル(原題:CITY OF ANGELS)』(1998年アメリカ)にも同名の天使が登場している。
 なおカシエルは土曜日を司る天使で、能天使の長の一人とされる。しばしば節制の天使ともされる他、天界の一角である神の宮殿アラボトの管理者する説もある。

参考:天使 ダニエル 大天使 ラファエラ

シャムシエル
 昼を司るとされるヘブライの天使。
 エデンの園の守護天使であり、また聖人や予言者を天界に導く役目も持つとされる。一方でエノク書におけるグリゴリの天使たちの一員にも名を連ねており、堕天使ともされる。
 『真・女神転生 東京黙示録』(コミックス版)では小林章人に受肉した天使とされていたが、彼は悪魔の誘惑に屈し覚醒には至らず、地獄の総統オセの下僕として相馬小次郎らと戦った。

エンジェル
 偽ディオニュシオスによる天使の階級の下級第三位。天使。英語名Angelはギリシャ語のangelosに由来する。原義的には「使者」の意である。
 神と人間の仲立ちをする役目を担っており、個々の人間に守護天使としてつくともされる。本来は無個性な存在であり、意思のないただの下僕に過ぎないとされるが、一方ではもっとも人間に近いとする説もある。天使たちの長は大天使ガブリエルとされる。
 本来はいわゆる天女の系譜に属するものであったと推察されている。しばしば女性の姿を取るのはその名残であろう。

ホーリーゴースト
 聖霊。Holy Spiritとも。父(神)と子(キリスト)とともに三位一体を成す。聖霊の原語はヘブライ語の「ルアーハ」であるがこれは「息」あるいは「風」の意である。
 聖霊は万物に内在する神の働きや万物に生命を与える神の力を表す非人格的な概念で、使徒や聖人の起した奇跡は聖霊の力によるとされる。つまりYHVHの一側面としての力の顕現である。聖霊は真のキリスト教徒に宿るとされるが、いわゆる守護霊とは次元が異なる。
 聖霊の扱いに関しては様々な説や異端が存在している。グノーシス派は聖霊を叡智の女神ソフィアと同一視していた。

ウォッチャー
 真・女神転生RPGの設定悪魔。Watcherは「見つめるもの」の意。
 神の使いである天使たちのさらなる使いで、天使たちの目となり、世界中から様々な情報を集めてくるという。
 原義的にはThe Watcherは人間を観察するために神より派遣された天使たちのことであり、エノク書で描かれるグリゴリの天使たちのことである。