適格者

 製革工たちの守護聖人は聖ローレンスである。彼は紀元258年、焼き網の上で火あぶりになって殉教した。その辞世の言葉は、「こっち側はこんがりと焼けたからひっくり返してみるがよい。横暴なる王よ、生のままと焼けた肉と、どちらがおまえの口に合うか食べて確かめてみるがよい!」というものだった。
 むしろ調理業の守護聖人としてうってつけだと思われるのだが、どういう訳か製革業を守護している。

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