許されざる過ち

 誰しも過ちというものは犯す。それは仕方のないことである。
 たとえば見込み違いという過ちがある。南北戦争中、南軍のセジウィック将軍は次のように言いかけてこの世を去った。「あいつらにはたとえ象だって撃てるはずが無かろう。この距離・・・・」
 道を間違えるという過ちはよくあることである。1974年、西ドイツの登山隊はアンナプルナ第4峰に登ろうとして出発し、アンナプルナ第2峰に登ってしまった。この過ちに対し、ネパール当局は再挑戦を認めなかった。
 書き損じや誤植、変換ミスといった過ちは誰でも経験があろう。しかしこの他愛なく思える過ちも時としては重大な事態を引き起こしかねない。米国ヴァージニア州のワレントン・フォーキァー・デモクラット社が刊行した書籍にはそれくらい重大な誤植があった。その訂正記事は次のようなものである。
 「緊急訂正!弊社刊行の本、『やさしいスカイダイビング』に誤植がありました。8ページ7行目の「郵便番号を告げる(State zip code)」を「開き綱を引く(Pull rip cord)」と訂正して下さい。」

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