先駆者たちの運命

 パリ市長のユーグ・オーブリオはバスチーユ監獄を建設したが、この監獄の最初の入獄者は他ならぬ彼自身だった。歴史にはこのような皮肉は数多く、例えばソールズベリー卿は最初に大砲を導入した人物であるが、大砲に当たって死んだ最初の英国人でもあったし、ボストンで最初にさらし台につながれたのはその制作者のパルマーという人物だった。ちなみにパルマーの罪状はさらし台の制作費の要求額が不当に高すぎるというものだった。
 しかしながらピカデリーに初めて歩道を設けたピエールポイント氏の場合は少々特殊である。彼は歩道の設置された直後、様子を見るためにうっかり後ずさったため車にはねられて死んだ。

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