キプロスの憂鬱

 クリミア戦争の結果、キプロス島はトルコからイギリスに行政権が譲渡されたが、これはイギリスの駐トルコ大使が島の名前を忘れてしまったことによる。本国政府はクレタ島の保有を求めていたのだが、大使は頭文字がCということしか思い出すことができず、トルコの宰相がキプロス島の名を上げたのでそのまま条約文書にサインしてしまったのである。
 さらに英国の統治下になった後にも、教科書に使っていた希英辞典のミスのために長い間”Hellow”と”Good Bye”を逆に教えてしまっていたという事件があった。そのため今でも島民たちはこれらを逆に使っているらしい。
 このようにキプロスには何かと混乱がつきまとっているが、この原因は当地のキレニア山に白い烏が棲んでいることにあると思われる。この地では100匹目の烏が白いことが十二分にあり得るので、多少の混乱など気にならなくなるのであろう。

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