オシリスは襲う

 1982年、サンフランシスコで行われたツタンカーメン展にて警備員として働いていたジョージ・ラ・ブラッシュ氏はその任務中に発作に見舞われ、職務遂行不能となった。
 さて健康を回復したラ・ブラッシュ氏、療養期間中に稼げたはずの賃金約2万ドルを求めて雇用者を提訴した。彼自身が主張するところによれば、彼の発作は神聖なるファラオを見世物にしたことに腹を立てたオシリス神に襲われたためであり、従って発作は職務に起因する事故に他ならないから労災にあたる、とか。
 結局法廷は彼の主張を認めなかったが、オシリスの霊験を軽視した陪審員達のその後の運命については残念ながら定かではない。

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