アインシュタイン・ロマン

 アルバート・アインシュタイン博士は人類史上最大の天才の一人と見られているが、彼は4歳になるまで言葉を一言も発さず、さらに9歳頃まで流暢にしゃべることが出来なかったらしい。勿論ご存じの通りチューリヒのスイス連邦工科大の入試にも失敗している。
 彼は櫛を使うのが大嫌いだったが、さらに生涯シェービング・クリームを使おうとせず、晩年は靴下なしでの生活を続けていた。ただし最後の一件は人類が再び古代の生活習慣に戻れるかどうかを確かめるという偉大な実験だった様である。
 彼自身が述懐する生涯最大の失敗は、相対性理論から導き出した宇宙モデルに、定常宇宙を実現するための「宇宙項」と呼ばれる要素を付け加えたことであった。もっとも他の物理学関係の方々には異なる見解を持つ方々が大勢いるようではある。この件に関して私見を述べさせて頂くなら、彼の最大の失敗はその最期の瞬間の行動にある。遺言をドイツ語で述べたのだが、そばにいた看護婦はドイツ語をさっぱり理解できなかったのだ。

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