タレスを笑うものはタレスに泣く

 ギリシャの哲人タレスはある夜熱心に天文を観察しながら歩いていて、足元のどぶに気づかず見事その中に落っこちた。これを知った女奴隷の評して曰く、「ご主人様は天上のことは良くご存じですのに、地上のことはさっぱりですね。」
 しかしその後ある男がタレスが貧しい暮らしをしているのを見て「哲学は何の役にも立たない」と悪口を言ったことを聞くと、タレスは天文を観察して来年はオリーブが豊作と予想、金を集めてミレトスとキオス島の搾油場を全部借り占めた。タレスの予想通りオリーブは大豊作で、人々は搾油場を使うのに高い料金を支払わねばならなかった。

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